Feedback EQ8 - グローバルフィードバック EQ¶
1 つのグローバルフィードバックループを持つ、固定 8 バンドのステレオ EQ です。
概要¶
Feedback EQ8 は、固定周波数の 8 バンドを持つステレオ・パラメトリック EQ で、そこに双極の Feedback Amount スライダーを加えたモジュールです。このスライダーは単なる全体音量ではなく、EQ 出力の一部を EQ 入力へ戻す量と極性を決めます。
そのため各バンドは、聴こえる音色を整えるだけでなく、フィードバックループの中でどの帯域が育つかも決めます。控えめな設定では共鳴感のあるトーンシェイパーとして使え、強めの設定ではリンギングやハウリング、制御された自己発振に近い挙動まで持っていけます。
内部のフィードバック経路にはソフトリミッターと DC ブロッカーが入っており、暴走しにくいよう安定化されています。リミッターはループ内だけに掛かるため、出力自体は基本的に EQ のキャラクターを保ったままです。
パラメータ¶
FEEDBACK AMOUNT(-95% 〜 +95%、デフォルト 0%)
- グローバルフィードバック量と極性を決めます。
- 正の値では同相で帰還し、負の値では反転した極性で帰還します。
- GUI表示: スライダー表示は -95.0 〜 +95.0 の双極パーセントです。
- 動作例:
- 設定値 = 0%: 追加の帰還なし。固定 8 バンド EQ として使えます。
- 設定値 = +35%: ブーストした帯域に共鳴感やサステインが出始めます。
- 設定値 = +75%: EQ カーブと入力信号次第で、強いレゾナンスや自己発振に近い挙動になります。
- 設定値 = -50%: 反転帰還になり、正方向とは違う空洞感や位相感のある質感になります。
- 用途: まず低めに設定し、狙った帯域が「返ってくる」感じが出るまで少しずつ上げる使い方が安定です。
- その他の詳細: 内部では ±95% にクランプされ、さらにループ内に tanh リミッターと約 20Hz の DC ブロッカーが入っています。
EQ BANDS(各 ±12dB、デフォルト 0dB)
- 8 バンドの周波数は 60Hz、170Hz、310Hz、600Hz、1kHz、3kHz、6kHz、12kHz です。
- 60Hz はローシェルフ、12kHz はハイシェルフで、中域のバンドが主な共鳴キャラクターを作ります。
- GUI表示: 各スライダーは -12.00 dB 〜 +12.00 dB で表示されます。
- 動作例:
- 低域を持ち上げる: 60Hz = +6dB、Feedback Amount = +40% 付近で、低域の膨らみや重い共鳴感が出ます。
- 中域を持ち上げる: 1kHz や 3kHz を +6dB 〜 +10dB にすると、鼻にかかったような、あるいは金属的な共鳴が目立ちます。
- 高域を持ち上げる/抑える: 6kHz や 12kHz を上げると明るく不安定なエッジが出ます。逆に下げると、暗く滑らかなフィードバックに寄せられます。
- 複合カーブ: 低域を少し削り、中域を押し出し、高域を少し持ち上げると、濁りよりも存在感を中心にした帰還になります。
- 用途: EQ バンドは「帰還の色を決めるスイッチ」と考えると分かりやすいです。強く上げた帯域ほどループ内で主張しやすくなります。
- その他の詳細: パネルは上側に高域、下側に低域が並ぶ配置です。
入出力 / CV¶
- Audio In:
L/R。右入力が未接続の場合は、左入力を右側にもコピーして内部処理します。 - Audio Out:
L/R。 - ポリフォニック音声入力: 各チャンネルを独立して処理します。モノラル合算は行わず、出力もアクティブなチャンネル数に追従します。
- CV In: なし。
LED表示¶
- Band LED: 各バンド付近の出力エネルギーを表示します。どの帯域が強く鳴っているかの目安になります。
- Feedback LED: 白色 LED は全体の出力レベル表示です。
Feedback Amountの数値そのものを示す LED ではありません。
コンテキストメニュー¶
- Reset All: 8 バンドすべてと
Feedback Amountを0に戻します。
使い方の例¶
- 通常の EQ として使う:
Feedback Amount = 0%にして、追加の帰還なしの固定 8 バンド EQ として使います。 - 共鳴感を足す:
Feedback Amount = +30%〜+50%にして、1 つか 2 つの帯域を持ち上げると、その帯域だけが少し鳴き始めます。 - 自己発振寄りにする:
Feedback Amount = +70%以上にして、中高域をブーストすると、強いレゾナンスや発振に近い挙動が得られます。ここでは小さな操作でも変化が大きくなります。 - 負方向の帰還を使う:
Feedback Amountをマイナス側にすると、正方向とは違う位相感や引っ込み感が出ます。正方向の帰還が強すぎるときの別解として有効です。 - 帯域ごとに色を作る:
60Hzで低域の膨らみ、1kHz〜3kHzで声っぽさや金属感、6kHz〜12kHzで明るい不安定さを作れます。
注意点¶
Feedback EQ8は自己発振することがありますが、これは意図された挙動です。まず低いFeedback Amountから始めてください。- リミッターと DC ブロッカーはループ安定化のためのもので、最終出力を強制的に守るブリックウォールリミッターではありません。
- CV 入力はないため、自動化中心の EQ というより、手で追い込むパフォーマンス用・音作り用のプロセッサとして使うのが向いています。
- 帰還後の全体音量をさらに整えたい場合は、
Feedback EQ8の後段に VCA や出力モジュールを挿してください。